8/31/2014

NOTES

出願書類について」を公開しました。

会わねば。

日本に帰ってきてからおよそ1ヶ月。スーツケースの中身を考えながら過ごす夏は、これで3年目だ。
この夏は、「お礼参り」の旅をたくさんした。お世話になった研究室や先生方に修了と就職のご報告。過去へのけじめと、未来への一歩。皆温かく迎えて下さり、「ハワイはどうだった?」「中国の話を聞かせてね」なんて世間話。積もる話をして、酒を酌み交わす。名残を惜しんで「また是非お話しましょうね」と言って別れる。話の流れでお土産を頂いたり、お仕事を頂いたり、人を紹介して頂いたり。
今の時代お礼のメール一本書くのは造作も無いことだが、それでは「つながり」は希薄になるし、こういう「頂き物」も出来ないだろうし、何より誠意がないから気に食わない。

ありきたりかもしれないが、やはり人には会わねば始まらないと思う。Facebookでどんなに近況報告を見ていても、会って話すのとは全然違う。デジタルで手軽な手段は、会えない時間を埋めるために存在している、と考えたい。

世界を飛び回るからこそ、会いたい人には、やはり会わねば。


8/24/2014

life is やっぱり random.

色々と、報告しなければならない事がある。ランダムに色々起こったので。

まず、論文が受理され、無事に修士号を取得することが出来た。論文締め切りの2週間前に査読者を変えるとか、まぁそれなりにハプニングは起こったのだけれどなんとか提出する事が出来た。気分が向いたら2年間のまとめを書こうと思っている(けど、前に回顧録を書くとか意気込んでいた気もするが、一向に気が向かないからなぁ(笑))。

もう一つは卒業後の進路について。これについては順を追って書かねばなるまい。
実は前回のエントリー(2ヶ月も昔か・・・)で「job huntに関しては上手くいっている」と書いたとき、僕はとある大学からsummer jobの内定をもらっていた。6月末から9月4日までの契約で英語を教える予定だった。

ところが、
人生はランダム。


内定をもらってから数日後、授業開始の4日前に僕がSSN(Social Security Number)を持っていないことが大問題であると判明。SSNについての詳しい説明は省くが、とにかくそれがないと合法的には働けないのだという(ITINじゃあかんのか?)。ということで、とにかく八方手を尽くしたが万事休す。その二日後、授業開始の2日前に僕は一度得たはずの職を失った。

教科書ももらって、新人(?)研修も出て、自己紹介もしたのに、失った。


でも全然気にしてなかった。もう人生こんな事だらけだから慣れてる。


その大学での職を失った数日後、「あぁ俺これから先どうやって生きていこう」と至極不真面目に考えているさなかに、中国の大学の英語講師の枠に応募した。こちらは一年契約(更新制)の常勤講師。通常東アジアの大学英語講師枠は「ネイティブスピーカーに限る」という(胸くそ悪い)制限がつくのだが、その大学は「ネイティブスピーカーまたは英語の堪能な外国人」という枠だったので、割と軽いノリで応募した


ら、受かった。
ランダム。

奇しくも内定通知は論文受理の通知と同日だったので、職と卒業が同時に決まった。7月1日は特別な日になりそう。

ついでに言っておくと、仮に僕がSSNを持っていて、仮にアメリカの大学でのsummer job(非正規雇用)を受けて9月4日まで働いてしまっていたら、9月1日付けで始まる中国の大学正規講師の枠を逃した事になる。SSNを持っていないがためにより大きな魚を獲られたわけだ。不思議なご縁である。

まぁとにかく、次の舞台が中国に決まった。




・・・と、本来ならここでこのエントリーを投稿する予定だった。一ヶ月も前に。
その一ヶ月の間に何があったのか。


事もあろうに、向こうの大学と音信不通になったのである。


中国の大学から内定をもらった直後から、僕は向こうの秘書と連絡を取り合い雇用契約・労働ビザ関係の話を進めていた。それが、7月の半ばにぷっつり途切れたのである。
メールが返ってこない。学部にも、大学そのものにも電話が通じない。大学にメールを送るとエラーが返ってくる(!)。意を決して在中国日本大使館に電話すると、日本語も英語も通じない(!!)。

僕は詐欺の可能性を疑い始めた。お金は払っていないものの、個人情報は渡す事になっている。
そして一度疑い始めると全てが悪い方に筋が通る。

東アジア地域(それも国立大学!)でノンネイティブを英語講師として雇ったのも、
面接の2日後に採用が決まったのも、
妙に待遇が良いのも(保険・航空券・住居費など全てカバーされてかつ有給のバケーションつき)、
大学と連絡がつかないのも、
jobの広告に出ていたProfessorを名乗る人物が全くインターネットに引っかからないのも、

全て筋が通る。お金を払わない以上、こんな手の込んだ詐欺はメリットが少なすぎるから可能性は低いと思ったが、しかしあり得ない話では無い。

僕はこの大学の採用が決まった時点でハワイを引き上げてしまったので、ビザの都合上もうハワイに帰る事は出来ず、もし仮にこれが全て壮大な嘘っぱちだったら、塾の講師でもやって食いつなぐしか無い。いくらランダムな人生に慣れているとはいえ、さすがに参ってしまった。


悶々と一月も考えて居たところ、ある日の午前2時頃、"I'm so sorry for the late reply..."という文で始まる秘書からのメールが来た。"due to the limited access to the Internet while I was attending meetings and on vacation..."



ん?

on vacation?



on vacation?




on vacation?


突如として消息を絶ち、3週間外界とのアクセスを遮断する。なるほどvacationとはかくあるべきか。
まぁ、いずれにせよ連絡は再開し、僕のcross-cultural toleranceはもう一段階上に達した気がした。今は向こうの大学からの書類待ちの段階(来るといいなぁ)。



これから先、授業が始まるまでに何が起こるかまだまだ油断は出来ないけれど、もしきちんと職が用意されているのならば、こんなに楽しみな事は無い。また英語を教えられる事が楽しみなのはもちろん、日本人が中国で英語を教えるという奇妙なシチュエーションが、面白くないわけがない。その様子をこのブログにアップするのか、別のブログを立ち上げるのか、あるいは全くアップしないのかは分からない。けれどこれからも「世界の中の日本の英語教育」をいつも頭の片隅に置きつつ、僕は楽観的に、真剣に、地球上のどこかで生きているのだと思う。